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サクサイワマン遺跡から望むクスコ こんな天空の都市に来て調子が悪くならないはずがない |
クスコ・マチュピチュ旅行でもっとも気を付けたいのが高山病です。
例えば、リマからクスコへ飛行機やバスで旅行した場合、一日のうちに標高0メートルから標高3400メートルまで一気に上ることになります。
そうなると、当然、大きな環境の変化が体へ多大の影響を及ぼします。
では高山病とはそもそもどんな病気なのでしょうか?
高山病とは?
高山病とは、高山では標高が上がるため空気が薄くなり、酸素を体に取り入れにくくなるために生じる、酸素欠乏症のことです。
ではなぜ高山では空気が薄くなるのでしょうか?
そもそも空気は物質なので、質量を持っており、重さがあります。
地球の大気圏(空気の層)は1000キロメートル以上になることが知られています。
ですから、私たちの上には1000キロメートル分以上の空気の重さがかかっているのです。
この大気の重量によってかかる圧力を気圧と呼びます。
海面(標高0メートル)での気圧が基準となって、1気圧とされています。
この1気圧とは、具体的には面積1平方センチメートルあたり1キログラムの圧力です。
標準的な気圧の表記法では1013.25hPa(ヘクトパスカル)と呼んでいます。
ところが、海面から高山に登るとこの気圧は減少します。
それは、標高が上がるため、上方にある空気の層の厚みが少なくなるためです。
そのため、空気の重さが少なくなり、気圧が低くなり、空気が薄くなるわけです。
例えば海面では1000キロメートルの空気の重さがかかりますが、標高5000メートルでは995キロメートル分の重さとなるわけです。
では気圧が低くなると、なぜ空気は薄くなるのでしょうか?
皆さんは空気は圧縮できることをご存知でしょう。
気体に圧力をかけると、質量は同じであっても体積を何分の一にも小さくすることができます。
ですから、圧力の高い海面や海面下ほど、空気が圧縮されるため、空気の密度は濃いことになります。
逆に、標高が上がるほど、気圧が低くなるため、空気の圧縮される具合が弱くなり、空気の密度は低くなります。
ですから、同じ体積の空気を吸ったとしても、実際の吸った空気の質量は気圧によって大きく変わるのです。
ですから、高山において、空気が薄いため、同じ体積の空気を呼吸したとしても、体に取り込むことのできる酸素の量は海面に比べてかなり減少します。
そのため、体内の酸素が欠乏し、高山病となるわけです。
標高と気圧の関係
ここまで見てきたように、標高が上がるほど気圧が低くなります。
では、具体的に標高によってどれほど気圧が変わるのでしょうか?
具体的には5500メートルの標高で、海面の気圧の半分になると考えてください。
以下に簡単な表を示します。
(標高0メートル時の気温を15℃とした場合の計算)
標高(m) | 気圧(hPa) | 酸素の割合(%) |
0 | 1013.25 | 100 |
500 | 954.6 | 94 |
1000 | 898.72 | 89 |
1500 | 845.53 | 83 |
2000 | 794.91 | 78 |
2500 | 746.78 | 74 |
3000 | 701.03 | 69 |
3500 | 657.58 | 65 |
4000 | 616.34 | 61 |
4500 | 577.21 | 57 |
5000 | 540.13 | 53 |
5500 | 504.99 | 50 |
6000 | 471.73 | 47 |
6500 | 440.27 | 43 |
7000 | 410.53 | 41 |
7500 | 382.43 | 38 |
8000 | 355.92 | 35 |
気圧の計算はこのカシオのサイトに地学の計算を自動的にしてくれるページがありますので参考にしてください(とても素晴らしいページです!)。目的地の標高を入力すると自動的に気圧を算出してくれます。
この表を見ると、単純に考えて、標高3400メートルのクスコではリマや東京に比べて65%程しか酸素を取り入れることができないことになります。(実際にはもう少し複雑に考える必要がありますが、ここでは目安として気圧の割合=酸素の量の割合と捉えます)
アンデス山脈の最高峰、アルゼンチンのアコンカグアは標高6962メートルですので、海面の41%強程の酸素の量となります。
高山病の症状
では、高山病が発祥すると、どのような症状が出るのでしょうか?
一般的に頭痛や吐き気やめまいなどが症状として出るようです。
個人差や体調によって程度が異なりますが、重症の場合には極度の気持ち悪い状態や吐き気によって食事もとることができなかったり、脱力感に襲われて立ち上がって歩くことが困難になったりします。
通常、1,2日経過すると体が高山に順応して症状が治まりますが、重症化した場合には脳浮腫や肺水腫を引き起こし、死にいたるケースもあるため十分注意が必要です。
軽度の場合にも、多少の頭痛があったり、食欲が減退したり、心肺が異常に活動して苦しく感じたりすることがあります。
高山病の予防・対策
高山病を予防・対処するためにはいくつかの方法があります。
ぜひ、以下を実践して高山病を悪化させないようにしてください。
(ここで覚えておいて欲しいのは、高山病が重症の場合には対処法は2つしかないということです。それは病院に行くことと標高を下げることです。もし、以下の方法で対処しても症状が悪化していくのであれば、ためらいなく病院に行くか、下山して標高を下げてください。命を落としたり、脳の後遺症を残す可能性があります!)
1.徐々に標高を上げる
高山病は通常、2400メートル以上になると発症すると言われています。
そのため、それよりも標高の高い場所にいく場合には、標高2000メートルほどの地点に一泊するなどして、体を高山に慣らすことにより、発症を未然に防ぐことができます。
ペルー旅行の場合には、標高2300メートル程のアレキパに留まった後、クスコやプーノといった高山に移動するコースがお勧めです。
2.正しい呼吸法を身につける
さらに、酸素を効率よく体に取り入れる呼吸法を用いることもできます。
具体的には、肺の空気をしっかり吐き出すことで、新鮮な空気を肺にいっぱいに満たすようにします。
普通の呼吸は
吸って・吐いて・吸って・吐いて・・・
の繰り返しですが、高山においては、
吸って・吐いて・もう一度吐いて・吸って・吐いて・もう一度吐いて・・・
と吐き出すことを重視してください。
普通に呼吸している際には、空気を吐いたつもりでも、まだまだ肺に空気が残っているのです。
それらも、もう一度吐くことで、肺の空気を完全に入れ替えるようにしましょう。
3.水分をしっかり摂る
高山病を抑えるには、体に酸素がよく巡るようにする必要があります。
そのためには、水分をよく摂取して、血液がさらさらの状態にしておくとよいでしょう。
水分の少ない血液は粘度が高まり、酸素が円滑に運ばれるのを妨げてしまいます。
できれば、糖分の伴う飲み物をこまめに摂りいれることにしましょう。
4.高山ですぐに眠らない
高山に到着して、すぐに眠ることは避けましょう。(←一番勘違いしやすい落とし穴です!)
なぜなら、睡眠時には人の呼吸は浅くなり、酸素を十分に取り入れることができないからです。
とりわけ高山病で体がだるい場合には、寝て休んで早く良くしたいと思うかもしれませんが、数時間は起きたままで体を慣らすようにしましょう。
友人たちと雑談をしているくらいの方が、寝ているよりもしっかり酸素を取り込むことができます。
5.激しい運動は避ける
人は運動をするときに酸素を消費します。
ですから、酸素を取り入れにくい高山で激しい運動をしてしまうと、消費した酸素をなかなか補うことができず、酸素欠乏症になってしまいます。
歩くときはゆっくりと、疲れたり息が上がったりしないようなペースに保ちましょう。
他にも、高山病対策でできることがあります。
それは薬などの高山病対策グッズを活用することです。
それについては次回ご紹介いたします。
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