公共トイレの横に謎の壁画が |
公共のトイレは皆有料なんですが、それについて話しているわけではありません。
むしろ、町全体が(一部の人にとって)無料の公共トイレのようなのです。
あまり品の良い話題ではないので、取り上げるのもはばかられるのですが、観光客が予備知識なしでクスコに来てショックを受けるのも悲しいので、私がこっそり皆さんにお知らせいたします。
右の写真を見てみてください。
これはエヘルシト通り(Av. del Ejercito)にある、有料の公共トイレと、その横に書かれた謎の壁画です。
壁に向かって用を足す人と取り締まる人 |
いわゆる立小便をしている人と、それを取り締まるインカの警察(?)らしき人が描かれていて、用はちゃんと隣の有料トイレを使えという意図を汲み取ることができます。
これだけでも十分おかしな絵ですが、問題は一番右。
ケチュアのおばちゃんもその隣に座って用を足しています。
実はこれはクスコでは当たり前のように1,2週間に一回くらいは町を歩いていて見かける光景なんです。
正直、初めて見たときはショックを受けました。
ただでさえ、毎日のように立小便をする男性を見て嫌な気持ちになっていたのですが、まさか女性まで道端で用を足すとは・・・
知人に聞いた話ですが、ケチュアの女性はスカートを何重にも重ねて履いていますが、下着は着けていないそうです。
そのため、座ってすぐに用を足すのに便利だとか・・・
モラルも衛生観念もまるでないと最初は憤慨しましたが、良く考えるとケチュア民族の伝統的な暮らし方を近代文明が侵食しているだけではないかとも思えます。
というのは、伝統的に農業を営むケチュア民族は、舗装された道路やコンクリートの町にではなく、土の道路に日干し煉瓦(泥を乾燥させただけのもの) でできた家に住んでいました。
用を足したいときには木陰がトイレとなり、糞尿は地面に自然に還っていったことでしょう。
同じように、クスコでは誰もがゴミを道端にポイ捨てしますが、それもプラスティックやビニールなど自然に還らない素材が発明される前からの習慣なのだとも思えます。
ですから、道端で用を足したり、ゴミをポイ捨てしてしまうクスコのケチュア民族に必要なのは、道徳心やモラルを向上させることというよりも、さらに重要なのは教育ではないかと思えるこのごろです。
アスファルトやコンクリートは土とは異なっているということをよく理解できないまま、文明に取り残されているケチュアの人々に近代社会のルールを教えるのが果たして良い事なのか、もちろん議論の余地はありそうですけどね。
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